私の愛犬ジャックラッセルテリアのCoo(クー)は吠える犬です。
お散歩デビューをした時から吠える子です。
パパ犬と多頭飼いをしていたので、1匹が吠えると抑えがききません。
吠え始めのきっかけはいつもCooなので、
Cooを何とかできればとパピートレーニングに通ったこともありました。
しかし、宅急便がくれば吠え、お客様が来ても吠え、お散歩ではすれ違う他犬に吠えつく。
いろいろ試しましたが直りません。
Cooは社会化が出来ていないから、尾を下げ(怖いまたは緊張している)吠えていました。パパ犬は怖がりでもなく、Cooが来る前は他犬とも友好的に遊べていた子です。Cooが吠えた瞬間、驚きで飛び上がり、そのまま「なんだ!なんだ!」と一緒に吠え始める始末。
一応、私はモデルとして活躍している時期でもあり世間体を気にしていました。
「一般的に吠える=問題犬=常識のない悪い飼い主」になってしまう。
すれ違う他犬の飼い主さんに「すみません」と声をかけると嫌な顔をされることも度々。舌打ちをされることもありました。努力もしたけど、どうしても直せなかったから…いつも哀しい気持ちを味わい。
お散歩仲間の方々は仕方ないねとは言ってくれていましたが、
一緒に遊ぶことが出来なかったのです。
私なりに2匹には思う存分散歩をし、走らせたりと毎朝2時間弱のお散歩をしていました。だから、運動不足ではない筈なのです。
こんなに愛していて大事にしているのに、どうしてわかってくれないのだろうと悲しく、そのストレスもあり2匹に対して吠えたら「No!」とチョークを入れていました。嫌な飼い主ですね。
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鑑の法則
良くあるお話に嫌な出来事はすべて自分自身の内側が創り出している、
引き寄せや現実化などが起きると言います。
解釈はそれぞれですが同じことを伝えています。
例えば「鑑の法則」とは心に思うことは外側の現実に反映されるということです。
もしかしたら?私かもしれない?
私の内側(心)が(申し訳ない)という気持ちでいれば、
外側の相手はさらに私が申し訳ない気持ちになるように見せてくれることでしょう。
写し鏡のように内側で思うことは外側に映し出されます。
そして、戻ってきます。本当にその通りだったのです。
この子達は普段はとても性格も良い子。
JRT気質が強いけれど感情が豊かなだけだし、
他犬を攻撃するわけでも噛みつくわけでもない。
こんなに愛らしい子達なのに、そんなに悪い子ですか?
親馬鹿かもしれないけれど、いつも笑顔を絶やさない可愛い子達です。
私がしっかりしないとと気持ちを切り替えていきました。
知らない犬が来る場合は道を変える。
顔見知りなら再挑戦として笑顔で挨拶をしながら、
明るく「本当にいつもすみません。朝の挨拶をしたいみたいなのです」と声をかけるようにしました。
本当に変化があるのですよ。
私の気持ちもCooに変化を与えたのかもしれません。
吠えたらイライラしていたのに、私自身が笑顔になるだけで相手の方もCooも笑顔になっていきます。
今までお話もほとんどしたことのない方まで
「本当にいつも元気で良いですね、可愛いですね」と言って頂けるようになりました。
その先には「B君、Cooちゃん、おはよう!」と吠えている我が子たちに声がかかるようになりました。
でも、やはり吠えるのは嫌ですよね。常識的にも世間的にも。どうしたものか。
その後、先住犬であるパパ犬Bが亡くなってから少しだけ吠え声はおさまっていました。これは10歳を超えてシニアになったせいかもしれません。
吠えることをやめさせる?
すれ違いに無駄に吠えることは、やはり好ましくない。
でも、その度にチョークや飼い主が怒鳴るのは好きではない。
道を変えたり、気を紛らわしたり、Cooに話しかけたり色々と試しました。
なぜ?吠えてしまうのだろう?この解決策はあるのか?考えながら、
私はドッグトレーナーの道へ進みました。
*小林里香☆Dog Communication Trainer
ドッグトレーナーとしての動物行動学の授業では、ケーススタディー等で問題行動と言われる事例をもとに、トレーナーとしての考える力を養います。
「吠える=悪い犬=問題」と決めつけるのではなく、
本来、吠えることは犬の習性と本能である。
番犬として人社会に飼われることで、
吠えることを「お仕事」と強化したのは人側である。
まずは、そこは認めておきます。
そこを認めたうえで
都会だからこそのルールとマナーを適切で有効なトレーニング方法を考えていきます。
その子の個性を尊重せずに
人側の勝手で声帯を潰し声が出ないようにする飼い主さんもいらっしゃいます。
それはとても悲しいことです。
まず「吠える理由」があるはずなのです。
その「吠える理由」をみつめ、
ワンコ側の気持ちを通訳して解決策を見つけるのが私の仕事だと思っています。
トレーナーとしての学びをしながら、
今までとは違う視野で我がCooをみつめてみました。
尾は昔より高々と上がりぷりぷり振っている。
(この状態は尾を振っているから友好的と思われがちですが緊張の時も同じように尾を振る場合があります。)
どうみても、Cooは喜びの尾を振っている。
顔は満面の笑みで、私に呼びかけるようにアイコンタクトをしながら
「ママ―!ワンコ―」と飛びあがり吠えています。うーん。笑。もっと複雑ですよね。
Coo自身は悪いことと思っていないのですね。
逆に褒めて欲しいとでもいうようにニコニコしながら吠えているのです。
吠えることを「悪いこと」と認識させて叱りやめさせることより、
まずは、その状況のイメージをかえていきました。
私とのアイコンタクトで集中力と、褒められることで「出来る子」と自信を味わってほしいと繰り返したLesson方法でした。
いま現在、完全に吠えることがなくなったか?と聞かれれば、
答えは「No]です。ただ、そこにはCoo自身の「吠える」理由がありました。
私達が言葉を話し音を出すのと同じく、犬の「吠える」ことはお喋りでもあるのです。
例えば、北海道の牧場で牧羊犬として飼われている子達は「吠える」ことがお仕事です。よね?
人社会&都会で暮らすうえで必要なマナーは愛犬に覚えてもらう必要はあります。
それを教えてあげれるのは飼い主さんだけなのです。
単純に「吠える」行動をやめさせるためのトレーニングをするより、
まずは、その子の立場になり、その子の「吠える」理由をみつけてほしいと思うのです。
飼い主さんが、その子と本当のコミュニケーションをして欲しいのです。
それが分かった時に、ふわり~となにかが解けるように「みらくる」が起きます。
そんなお手伝いをさせていただくのが、私の喜びになります。
Cooからのギフト
お散歩中に、やはり、他犬が苦手だろうワンコと飼い主さんがお散歩されていました。
飼い主さんもワンコも楽しそうではない。
ふっと思ったのです。Cooは今年15歳になりました。15年変わりなく吠えています。
たまにはとても嫌な思いをすることもあります。
ですが、問題犬?悪い子?というと、違います。
私がこの月日、Cooと向き合ってきた時間はきっと無駄ではなく。
その必要な人が居るはずだと思ったのです。
Cooは15年かけて私に課題を提供してくれています。
そして、最後の旅立までシニアとはどんな様子なのかを見せてくれています。
「うちの子」にとって、一番良い方法をご一緒に考えていきませんか?
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ドッグコミュニケーショントレーナー小林里香