GWのある朝に家の前の道路の掃き掃除をしていたら、チワワ君に吠えられました。
すごい剣幕でワンワンワンワンワーーワ――みたいな(笑)(私、ワンコに嫌われること少ないのだけど)
その瞬間、飼い主さんがチョークを入れて上斜めにグイッと引きながら「○○ダメでしょ!」と怒って、チョークを引きながら力でお座りをさせる。黙り横目で見ていたのですが。
チワワ君が前に一歩でようとすると「ダメ!」と飼い主さんがリードをグイッと。
私が後ろ向きで動く度に吠えて、またチワワ君は怒られるので、飼い主さんに声をかけました。
昔々、初めて飼うジャックラッセルテリアの現在のパートナーCooのパパ犬B.Bはとても暴れん坊で、玄関を出た瞬間から引きが強く普通に歩けなく、独学でハーフチョークカラーでコントロールをしてヒールウォークの躾をしました。
現在、ドッグコミュニケーショントレーナーになり、セミナー等で新しい価値観を学ぶたびに天国にいるB.Bに「ごめんね♡」と伝えます。
首に対して力任せにショックを与えてのコントロールをするという方法より、今の私は、お互いの意思の疎通があって、理解してくれるところから、その子自身が自分で選択して行動を選んでくれるように導きたいと考えています。
これも必然と思いお話をしました。
R:「お話をして良いですか?もしよろしければ、この子が吠えないように私が試してみて良いですか?」
飼主様:
「今2歳で、うちに来たときから2ヵ月間警察犬学校に預け、出張トレーニングもして沢山お金をかけたのです。先生方はとても優秀な子と言ってくれるのに、すれ違う犬や人にどんどん激しく吠えるようになって」
R:
「まず、今、ピンと張っているリードを緩めて頂けますか?この子が吠える瞬間、ママさんは何を思いますか?前から人がきたら?」
飼主様:「準備しなきゃ!」と思います。
R:
「そうですよね、ママさんの緊張がきっとリードからこの子に伝わって、逆に、ママを守らないととスイッチが入っているかもしれません。
この子はおうちでも悪い子ですか?
違いますね。では、今、この瞬間から、悪い子、困った子だという考えを消してみてください。そして、この子は優しく良い子だとおうちにいる穏やかな姿をイメージしてみてくださいね」
R:
「今から、私が距離をあけて座ります。手も出さないし、何もしません。ママさんはうちの子は優しい子だからと思っていてくださいね。」
私は距離をあけて、身体を斜めにして目線を外して座りました。
一瞬、チワワ君は後ろに身を引きましたが、そろそろ、そろそろと私に近づいて匂いを嗅ぎ始めます。
左右両方クンクン嗅ぎまわります。
R:
「いま、この子は一生懸命に私がどんな人物か情報を集め、自分で学習しています。賢いのです。」飼い主さまも真剣に見ています。
左右両方をクンクン嗅ぎまわり、十分納得した時に、私の膝の上に前両足を乗せて来ました。
上半身を乗り出して私の顔に近づいてくる。私も45度から顔をゆっくり戻し、上半身は後ろに引いたまま目線を外しながら正面に顔を戻すと「二カー」とチワワ君の笑顔(笑)
飼主様より預かったトリ―ツをあげて仲良しになりました。
次のステップへ
仲良くなった後は、チワワ君が自主的にどんな行動をするのかを観察していたら(私が撫でもしない声もかけないのでポケっとしています)
その瞬間、彼が座っている私の膝の前でお座りをしたので(内心。。。ヤッタ―――)
R:
「Good Boy」とギューギューしたいくらいに嬉しいけれど、冷静に。この瞬間が本当に私のハートが喜ぶ瞬間です。
その後、何度も私が「お座り」と言わなくても、自主的にお座りを繰り返すので褒めることを繰り返します。
最後に、飼い主様へ前方から人やワンコが来ても緊張しない。なぜなら、うちの子は良い子だからと思ってください。
名前を呼んでヒールの位置にお座りをしてもらいマテ、すれ違ったらトリ―ツと褒めてあげる。この繰り返しを続けてみてくださいと飼い主様にお伝えすると、飼い主様もニコニコ笑顔で愛おしそうに我が子をみていました。
私は庭仕事に戻りました。
その後、その子はどうなったか?
たまに吠え声は聞こえますが、一瞬で止まるのできっと飼い主様とコミュニケーションをとっているのだろうと思っています。
ワンコが自分で行動を選ぶことが大事です。
その行動が「正解!」と教えてあげるのは人の役目です。
ワンコが自分で考え、人側が望んでいる行動をしてくれた時に、その行動はとても嬉しい行動なの!とワンコに伝えるためにトリ―ツを使います。
人側が望むことを躾として教えるのではなく、状況において、ワンコが自分で考えてした自然な行動を褒めてあげる。
大好きなママに褒められたら自慢なくらい嬉しいはずです。
これ、とてもパワフルな強化になるのです
是非、うちの子が自慢げにしている行動を褒めてみてあげてください。
*(ゆくゆく困る行動:例えばピョンピョン飛びつきとかに繋がるものは、その行動を消すのに倍の時間がかかりますので注意してくださいませ)
ワンコ達は、いろいろな行動を見せながら、飼い主様とコミュニケーションをとろうと、あの手この手とボディランゲージや行動で見せてくれています。
一番近くにいる飼い主様が、我が子の一番の理解者になって頂きたいと思っています。
今回の場合も、基礎は出来ている子なので、この子の個性と得意を引き出してあげながら繰り返しレッスンすることで変わります。
変わるというより、その子自身の個性が輝き、自信になっていくのです。
その子達が伝えてきていることを、飼い主様へお伝えしながらLessonをしていくのが、■ARSコミュニケーション&ポジティブトレーニングです。
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ARSドッグコミュニケーショントレーナー小林里香